アメリカに食品を輸出するために必要なこと【完全ガイド】

「うちの食品、アメリカでも売れそう。でも何から始めればいいの?」

そんな疑問を持ったまま、なかなか一歩が踏み出せていませんか?
アメリカへの食品輸出には、日本とはまったく異なるルールがあります。「日本の表示のままでいい」「とりあえず送ってみよう」——そういった誤解が原因で、通関で止められたり、販売できなかったりするケースが後を絶ちません。
このページでは、アメリカに食品を輸出するために必要な手続きを、初めての方でもわかるように全体像から順番に解説します。
難しそうに見えますが、正しい順序で準備すれば、きっと道は開けます。一緒に確認していきましょう。
📋 この記事の目次
- アメリカ食品輸出の全体フロー
- STEP 1|FDA施設登録(Food Facility Registration)
- STEP 2|アメリカ向けラベルの作成
- STEP 3|Prior Notice(事前届出)の提出
- よくある誤解 3選
- 実際に起きた失敗事例
- まとめ|まず何から動けばいい?
① アメリカ食品輸出の全体フロー
まずは「何をどの順番でやるか」を把握することが大切です。アメリカへ食品を輸出するためには、大きく分けて以下の3つのステップが必要です。
📦 輸出前に必要な3ステップ
✅ STEP 1|FDA施設登録 → 製造・加工施設をFDAに登録する
✅ STEP 2|ラベル作成 → アメリカの規制に沿った英語ラベルを用意する
✅ STEP 3|Prior Notice提出 → 輸出前にFDAへ事前届出を行う
「全部やらなきゃいけないの?」と思うかもしれませんが、これらはどれも省略できません。ひとつでも欠けると、アメリカの港で商品が差し止められることがあります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
② STEP 1|FDA施設登録(Food Facility Registration)

そもそもFDAとは?
FDA(Food and Drug Administration)とは、アメリカの食品・医薬品・化粧品などを管轄する政府機関です。日本でいえば、厚生労働省や消費者庁に近い役割を持つ機関です。
アメリカに食品を輸出するすべての製造・加工業者は、このFDAに施設登録をする義務があります(2002年のバイオテロ法により義務化)。
施設登録が必要な商品は?
対象はとても幅広く、菓子類・調味料・飲料・加工食品・サプリメント・ペットフードなど、ほとんどの食品カテゴリが含まれます。
「うちは小さな会社だから関係ないかな?」——残念ながら、企業規模は関係ありません。1箱からでも輸出するなら、登録が必要です。
施設登録の主なポイント
- 登録はFDAの公式サイト(FFRPS)からオンラインで行う
- 登録には「U.S. Agent(米国代理人)」の指定が必要
- 登録番号(Registration Number)が発行されると、輸出が可能になる
- 偶数年の10〜12月に2年ごとの更新が必要(忘れると失効)
⚠️ 注意:登録が失効したまま輸出すると、商品が輸入拒否される可能性があります。更新期限の管理は非常に重要です。
③ STEP 2|アメリカ向けラベルの作成

FDA施設登録と並んで、輸出前に必ず対応しなければならないのがラベル(表示)の問題です。
「日本語のラベルのままじゃダメなの?」——ダメです。アメリカで販売する食品のラベルには、FDAが定めた独自のフォーマットがあります。
アメリカのラベルで必要な主な表示
- Nutrition Facts(栄養成分表示):日本の栄養成分表示とはフォーマットが大きく異なる
- Ingredient List(原材料一覧):アレルゲン表記の方法も異なる
- Net weight(内容量):オンス(oz)表記も必要
- Manufacturer / Distributor情報:製造者または輸入者の住所
- 英語での記載:主要表示は英語が必須
Nutrition Factsはそのまま流用できない
日本の「栄養成分表示」とアメリカの「Nutrition Facts」は似ているようで、計算方法・単位・フォーマット・表示項目がまったく異なります。
特に「Serving Size(一食分量)」の設定はFDAのガイドラインに沿って行う必要があり、ここを間違えると表示全体に影響します。
Proposition 65(カリフォルニア州)への対応も必要な場合がある
カリフォルニア州で販売する場合、Proposition 65(有害物質に関する州法)への対応が必要になることがあります。特定の成分を含む食品には、警告文の表示義務が生じる場合があるため、事前の確認が欠かせません。
④ STEP 3|Prior Notice(事前届出)の提出

商品を実際にアメリカへ向けて発送する前に、FDAへの事前届出(Prior Notice)が必要です。
これは「どんな食品が、どこから、どこへ、いつ到着するか」をFDAに事前に知らせる手続きです。2002年のバイオテロ法により義務化されました。
Prior Noticeの主なポイント
- 発送前に、FDAのシステム(PNSI)からオンラインで申請する
- 確認番号(Confirmation Number)が発行されたら、それを輸送書類に記載する
- 到着の最大5日前〜最短2時間前までに提出が必要(輸送手段による)
- 提出漏れがあると、商品が入港を拒否されることがある
💡 ポイント:Prior Noticeは毎回の輸送ごとに提出が必要です。一度登録すれば終わり、ではありません。
⑤ よくある誤解 3選

ここまで読んで「思ったより複雑だな…」と感じた方も多いと思います。それもそのはず、アメリカ輸出には根強い誤解がたくさんあります。
❌ 誤解1:「日本語ラベルのままでも大丈夫」
→ アウトです。アメリカで販売する食品の主要表示は英語での記載が義務です。日本語表示のみの商品は通関を通過できない可能性があります。
❌ 誤解2:「FDA登録は大企業だけに必要」
→ 規模は関係ありません。個人事業主でも、小さなメーカーでも、アメリカへ食品を輸出する施設はすべて登録対象です。
❌ 誤解3:「とりあえず送ってみて、問題があれば直せばいい」
→ とても危険な考え方です。未登録・未届出の商品を繰り返し輸出しようと試みると、最悪の場合、輸入拒否(Import Refusal)となり、FDAの公開データベースに記録される可能性があります。一度記録されると、それ以降の輸出にも影響が出る場合があります。
⑥ 実際に起きた失敗事例

「自分は大丈夫」と思っていても、実際に準備不足で困ってしまう事例は多くあります。よくあるパターンをご紹介します。
📌 事例①|施設登録を忘れていた
輸出の手配をすべて整えたあとに、FDA施設登録をしていなかったことが発覚。急いで申請したが登録完了まで時間がかかり、発送が大幅に遅延してしまった。
📌 事例②|日本の栄養成分表示をそのまま翻訳した
「日本語を英語に訳せばいい」と思い、日本の栄養成分表示を英訳してラベルに貼り付けた。しかし、フォーマットも計算方法もFDAの規定と異なっており、ラベルの作り直しが必要に。印刷コストが無駄になった。
📌 事例③|Prior Noticeを出し忘れた
輸送会社に任せきりにしていたところ、Prior Noticeの提出が漏れており、現地での通関でトラブルに。保管費用が発生し、バイヤーとの信頼関係にも影響が出た。
これらの失敗に共通しているのは、「事前の準備不足」と「専門的な確認なしに進めてしまった」ことです。
⑦ まとめ|まず何から動けばいい?

アメリカへの食品輸出で必要なことを、改めて整理します。
| 手続き | タイミング | ポイント |
|---|---|---|
| FDA施設登録 | 輸出前・早めに | 2年ごと更新必須 |
| ラベル作成 | 輸出前・並行して | FDA規定フォーマット必須 |
| Prior Notice | 発送ごとに | 毎回提出・漏れ厳禁 |
「何から手をつければいいかわからない」という状態でも、大丈夫です。まず現状を整理することが第一歩です。
📩 無料ヒアリングで、あなたの状況を一緒に整理します
「うちの商品は登録が必要?」「ラベルはどこまで変える必要がある?」
そんな漠然とした疑問から、お気軽にご相談ください。
一緒にアメリカンドリームを叶えましょう!
※本記事の内容は執筆時点の情報をもとにしています。FDA規制は改定されることがあります。
