アメリカに食品を送るなら要注意。Prior Notice(事前申告)とは?初めての食品輸出で知っておきたい基本の「き」

アメリカ向けに食品を輸出しようとすると、よく出てくるのが FDA と Prior Notice(事前申告) という言葉です。
初めて輸出する事業者様にとっては、「誰が出すの?」「どのタイミング?」「施設登録とは違うの?」と混乱しやすいポイントでもあります。

結論からいうと、アメリカへ輸入される食品の多くは、到着前にFDAへPrior Noticeを提出する必要があります。 これを怠ると、貨物が港や空港で止められたり、受け取りができなかったりするリスクがあります。

この記事では、初めてアメリカに食品を輸出する事業者様向けに、Prior Noticeの基本をできるだけわかりやすく整理します。
「何となく難しそう」で止まってしまわないように、実務でつまずきやすい点もあわせて解説していきます。

この記事では、初めてアメリカに食品を輸出する事業者様向けに、Prior Noticeの基本をできるだけわかりやすく整理します。
「何となく難しそう」で止まってしまわないように、実務でつまずきやすい点もあわせて解説していきます。

目次

Prior Notice(事前申告)とは?

Prior Noticeとは、アメリカに到着する前に、その食品貨物の情報をFDAへ事前に通知する制度です。
FDAはこの情報をもとに、どの貨物を確認・検査する必要があるかを判断します。人向け食品だけでなく、動物用食品や飼料、サプリメント原料なども対象になり得るため、「加工食品だけの話」と思い込まないことが大切です。

FDAのガイダンスでは、食品の例として、果物、野菜、水産物、乳製品、卵、飲料、菓子、缶詰、ベーカリー製品、食品原料、食品添加物、ペットフード、ダイエタリーサプリメントなどが挙げられています。
つまり、「食品として扱われるもの」はかなり広いと考えたほうが安全です。

FDAのガイダンスでは、食品の例として、果物、野菜、水産物、乳製品、卵、飲料、菓子、缶詰、ベーカリー製品、食品原料、食品添加物、ペットフード、ダイエタリーサプリメントなどが挙げられています。
つまり、「食品として扱われるもの」はかなり広いと考えたほうが安全です。

どんな場合にPrior Noticeが必要なのか

原則として、アメリカへ輸入される、または輸入のために提供される食品にはPrior Noticeが必要です。
販売用の商品だけでなく、サンプル、品質確認用、マーケティング用途、ギフト扱いの食品、米国を経由する食品なども対象になり得ます。

ここで注意したいのは、「少量だから不要」「テスト販売だから不要」ではないという点です。
初回輸出ではサンプル送付から始めるケースも多いですが、食品である以上、Prior Noticeの要否は必ず確認しておく必要があります。

逆に、Prior Noticeが不要なケースは?

すべての食品に必ずPrior Noticeが必要というわけではありません。FDAは主な免除例として、個人が自分や家族・友人のために携行する食品、個人宅で作られた食品を個人的な贈り物として送る場合、到着港を離れずにそのまま再輸出される食品、輸入時点でUSDAの専属管轄にある一部の食肉・家禽・卵製品、外交用袋に入った食品などを挙げています。

ただし、事業として輸出する日本企業の多くは、この免除にきれいに当てはまらないことがほとんどです。
そのため、商用輸出では「基本的に必要」と考えて確認を進めるのが実務的です。

Prior Noticeは誰が提出するの?

Prior Noticeは、必要情報を把握している人であれば提出可能です。
FDAは、提出者として、製造者、輸出者、輸入者、ブローカー、米国代理人などを挙げています。

実務では、米国側の輸入者や通関業者、あるいは依頼を受けた専門家が対応することもあります。
ただ、誰が出すかが曖昧なまま出荷準備だけ進んでしまうのが最も危険です。初回輸出では特に、出荷前の段階で「Prior Noticeは誰が、いつまでに出すのか」をはっきり決めておくことが重要です。

どこから提出するの?

FDAによると、Prior Noticeの提出方法は大きく2つです。
ひとつは、米国税関・国境警備局(CBP)のABI/ACE経由で提出する方法。もうひとつは、FDAのPrior Notice System Interface(PNSI) を使う方法です。

FDAは、PNSIを、CBP経由で提出しない場合や、国際郵便、In-Bond、FTZ関連、または単純にFDAのインタラクティブな画面から入力したい場合に利用できると案内しており、広く一般的にPNSIが利用されています。

いつまでに提出すればいい?

ここは非常に重要です。
FDAは、食品がアメリカの最初の到着港に着く前に、Prior Noticeを電子的に受領・確認していることを求めています。

さらに、輸送方法ごとに最低提出時間が決まっています。
トラックなど道路輸送なら到着の2時間前まで、鉄道なら4時間前まで、航空便なら4時間前まで、海上輸送なら8時間前まで、国際郵便なら発送前までが原則です。

加えて、早すぎる提出にも上限があります。
FDAの案内では、CBPのABI/ACE経由なら到着予定日の30日前以内、FDAのPNSI経由なら到着予定日の15日前以内に提出する必要があります。

つまり、Prior Noticeは「早ければ早いほどよい」わけではなく、早すぎても遅すぎてもだめです。
初回輸出ではこの感覚がつかみにくいため、物流スケジュールとセットで管理するのが安全です。

Prior Noticeにはどんな情報が必要?

FDAのガイダンスでは、Prior Noticeに必要な情報として、提出者情報、食品の品名、FDA product code、数量、ロット番号等(必要な場合)、製造者情報、FDA Country of Production、発送者情報、輸送方法、輸入者・荷受人情報、予定到着情報などが挙げられています。さらに、FSMAに基づき、その食品が他国で入国拒否されたことがある場合は、その国名の報告も必要です。

ここで実務上よくあるのが、商品名の英語表記が曖昧、製造者情報が不足、FDA product codeが合っていない、数量や荷姿の整理が不十分といったケースです。
Prior Noticeは単なる「名前の登録」ではなく、貨物の中身をFDA側で識別できるだけの情報が必要になります。

FDA施設登録とPrior Noticeは同じではありません

初めて輸出する方が非常に混同しやすいのですが、FDA施設登録とPrior Noticeは別物です。
施設登録は、対象施設がFDAへ登録されているかという制度であり、Prior Noticeは個々の輸入貨物ごとの事前通知です。考え方もタイミングも異なります。

実務では、施設登録が必要な商品なのに未登録だったり、逆に施設登録は済んでいてもPrior Noticeを出していなかったりというミスが起こります。
「FDA対応」とひとくくりにせず、制度を分けて整理することが、最初の一歩としてとても大切です。

提出後に内容が変わったらどうなる?

これも見落とされやすいポイントです。
FDAは、一度確認されたPrior Noticeの内容は修正できないと案内しています。必要項目に変更が出た場合は、新しいPrior Noticeを提出し直す必要があります。FDAは、旧申告のキャンセルも推奨しています。

しかも、新しく出し直した場合は、提出タイミングのカウントが再スタートします。
そのため、商品情報や到着情報が固まりきっていない段階で慌てて提出すると、かえってスケジュールが崩れることがあります。

Prior Noticeを出さないとどうなる?

FDAによると、不十分なPrior Noticeしかない食品、またはPrior Noticeがない食品は、入国拒否の対象となり、港で保留される可能性があります。
また、Prior Notice要件に違反して輸入または輸入提供を行うことは、FDAが管轄する法令上の「Prohibited Act」にあたるとされています。

現場感覚でいうと、Prior Noticeの不備は「後で直せばいい軽微なミス」ではありません。
特に、初回輸出・小ロット・サンプル出荷ほど、関係者の役割分担が曖昧で漏れが起きやすいため、出荷前チェックリストにPrior Notice確認を必ず入れておくことをおすすめします。

初めての食品輸出で、特に気をつけたい3つのこと

第一に、「自社商品が本当にFDA上の“food”に当たるか」を早めに確認することです。
食品そのものだけでなく、原料、添加物、サプリ関連、ペットフード関連など、思っているより広く対象になり得ます。

第二に、施設登録・ラベル・Prior Noticeを別々の論点として整理することです。
どれもFDA対応に見えますが、必要な情報も担当者もタイミングも異なります。ここを一括で曖昧にすると、輸出直前で慌てる原因になります。

第三に、「誰がPrior Noticeを出すのか」を出荷前に確定しておくことです。
日本側、米国側、フォワーダー、通関業者のどこが担当するのか。確認番号は誰が保管し、誰が物流現場へ共有するのか。ここまで決めておくと、初回輸出でもぐっと事故が減ります。

まとめ|Prior Noticeは“輸出できるかどうか”を左右する基本手続き

アメリカ向け食品輸出において、Prior Noticeは避けて通れない基本手続きです。
制度そのものはシンプルに見えても、実際には、対象商品の判断、必要情報の整理、提出タイミング、物流との連携まで含めて考える必要があります。

特に初めての輸出では、
「施設登録はしたけれどPrior Noticeを忘れていた」
「サンプル便だから不要だと思っていた」
「誰が出すか決まっていなかった」

というミスが起こりがちです。

だからこそ、最初の1回は、制度をきちんと理解したうえで進めることが大切です。
事前に整理しておけば、2回目以降の輸出はずっとスムーズになります。

アメリカ向け食品輸出で、Prior NoticeやFDA施設登録、Nutrition Facts、ラベル対応などに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
EverBrightでは、初めてのアメリカ輸出を実務ベースでお手伝いしています。初めての事前申告を一緒に行うサポートも行っています。スムーズなアメリカ輸出を叶えます。ぜひ一度お問い合わせください!

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