Amazon.comで食品を売る前に知っておきたい「FDAのよくある誤解」7選【失敗しないために】

Amazon.com(米国Amazon)への食品出品を検討している事業者様から、これまで数多くのご相談をいただいてきました。

その中で気づくのは、多くの方が「FDA(米国食品医薬品局)」対応そのものを正しく理解していない事業者様が少なからずいらっしゃるということです。

「FDA」を誤解したまま出品準備を進めると、

  • 出品後にAmazonから書類提出を求められて出品停止になる
  • 商品が米国の港で止められる
  • 違法な表示をしてしまい、後から表示変更・在庫処分が必要になる

といった事態につながりかねません。

今回は、食品をAmazon.comで販売したい事業者様が特に誤解しやすいポイントを7つに絞ってご説明します。

目次

誤解1:「FDA認可」「FDA承認」が必要だという誤解

一般的な食品については、医薬品のように製品ごとのFDA承認を受けてから販売する制度は通常ありません。(ただし、食品添加物や色素など、個別にFDA承認等が関わる領域はあります。)

FDAに対して行うのは「施設登録(Food Facility Registration)」であり、これは届出に近い性質のものです。

FDAが商品の安全性や品質を個別にチェックして許可を出すわけではなく、あくまで「この施設がこの国に食品を輸出している」という情報をFDAのデータベースに登録する手続きです。

そのため、パッケージや広告に “FDA Approved”(FDA承認済み)と表示することは、ほとんどの一般食品において事実に反し、虚偽表示としてFDAから問題視される対象になります。「登録されている」ことと「承認されている」ことは全く別物だと理解しておく必要があります。

誤解2:施設登録さえ済ませれば、あとは何もしなくていい

施設登録は一度きりの作業ではありません。米国向けに食品を輸出する施設は、西暦偶数年の10月1日〜12月31日の期間に登録を更新する義務があります。この期間以外には更新できず、猶予期間も設けられていないため、更新を忘れると登録が失効し、米国への輸出ができなくなります。

また、登録した内容(会社名、住所、US Agentなど)に変更があった場合は、変更から60日以内に情報を更新する必要があります。

「登録して終わり」ではなく、継続的な管理が必要な制度だという点は意外と知られていません。

誤解3:US Agent(米国内代理人)はあった方が良いだけのオプション

海外(日本国内)の施設がFDAに施設登録を行う場合、米国内に居住し、米国の通常業務時間内に対応可能なUS Agentを指定することが必須です。US AgentはFDAからの通知(査察予告、米国の港における保留の連絡など)を受け取る窓口となります。

US Agentが連絡不可能な状態になっている場合、FDAからの重要連絡を受け取れず、登録管理や輸入実務で重大な支障が生じるリスクがあり、その結果すべての商品が輸入時に保留(automatic import hold)となる可能性があります。

誤解4:日本の商品ラベルを英語に翻訳すればそれで良い

これも非常に多い誤解です。米国向けの食品ラベルには Nutrition Facts(栄養成分表示)の独自フォーマットがあり、日本の栄養成分表示をそのまま英訳しても要件を満たしません。

具体的には、

  • 1食分(serving size)の考え方が日本と異なり、FDAが定める「RACC(Reference Amount Customarily Consumed)」という基準量に基づいて算出する必要がある
  • 表示すべき栄養素の項目・順序・単位がFDAの規則で厳密に定められている
  • 主要アレルゲン(牛乳・卵・魚・甲殻類・木の実・落花生・小麦・大豆・ゴマなど)の表示義務が日本のアレルゲン表示とは範囲も書き方も異なる

といった違いがあります。翻訳だけで済ませてしまうと、Amazon側の審査やFDAの査察で「ラベル不備」として指摘される典型的なパターンになります。

誤解5:少量・個人輸出なら規制対象外

「テスト販売だから」「まずは少量から始めるから」という理由で、規制対応を後回しにしてしまう方も少なくありません。

しかし、FDAの食品規制は基本的に取扱量や事業規模を問わず適用されます。家庭で消費する目的の個人輸入とは異なり、Amazon.comのような商業プラットフォームで販売目的の食品を継続的に輸出する場合は、量に関わらず施設登録・Prior Notice等の対象になると考えておくべきです。

「小さく始めて、後から整える」という発想自体は悪くありませんが、規制対応については「最初から正しい形で始める」方が、結果的に手戻りが少なく済みます。

誤解6:Amazonの出品審査を通過した=FDAをクリアした

Amazonが出品時に求める情報と、FDAそのものが行う規制監督は、似ているようで全く別の仕組みです。Amazonの審査は「Amazonのプラットフォームポリシー」に基づくものであり、FDAの法的要件すべてを代行してチェックしているわけではありません。

実際には、Amazon上の販売可否判断と、FDA法令上の適合判断は別です。Amazonで販売開始できても、輸入時や後日の確認で別途コンプライアンス上の問題が判明することがあります。

「一度出品できた」ことを「FDA対応は完了した」と捉えず、継続的に正しい状態を維持する意識が必要です。

誤解7:FDAとUSDA(米国農務省)は同じ機関で、対応は一本化されている

FDAとUSDAは管轄が異なる別の連邦機関です。一般的な目安として、

  • USDA(FSIS)の管轄:生鮮食品、肉類、家禽肉、一部の加工卵製品
  • FDAの管轄:上記以外のほぼすべての食品(水産加工品、菓子、調味料、米菓、乾物、健康食品など)

日本からAmazon.comに輸出される食品の多くはFDA管轄に該当しますが、原材料に肉エキスや畜肉由来成分が含まれる場合など、判断が分かれるケースもあります。「うちはFDA対応だけしておけば大丈夫」と思い込まず、商品の原材料構成によって管轄機関が変わりうる点には注意が必要です。

まとめ:誤解を解消し対処すれば、出品後のトラブルを回避できる

ここまでご紹介した誤解は、いずれも「知らなかった」状態のまま出品準備を進めてしまうと、Amazon出品後の停止や、米国港での輸入保留といった具体的なトラブルに直結するものばかりです。

  • FDA登録は「承認」ではなく届出に近い制度であること
  • 登録後も更新義務があり、2026年は更新年に当たること
  • US Agentの選定・維持には責任が伴うこと
  • Nutrition Facts表示は翻訳ではなく米国基準での再構築が必要なこと

これらを最初に正しく理解しておくことが、Amazon.comでの食品販売を安定的に続けるための土台になります。

EverBrightでは、FDA施設登録の代行、Nutrition Facts作成、裏面パネルの作成・助言まで、Amazon.com輸出に必要な対応をワンストップでサポートしています。

「自社の商品はどの対応が必要か分からない」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。

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